富裕層をターゲットにしたサイトについて考えてみる。



富裕層向けのサイトを制作する前に考えておくコト。Web-STYLE(ウェブスタイル)

■ホームページだけで新規に“富裕層”の顧客を囲い込めるはずは・・・“ほぼ”無いです。

 ときどき直接、間接的にホームページを活用した“富裕層”へのアプローチ方法について相談をお受けするのですが、その多くはサイトに“高級感”を出したいという内容だという印象があります。

 上記の中で“間接的”というのは、制作会社や企画会社からのご相談なのですが、クライアント企業様のご要望通りにデザインだけに焦点を絞っているのであれば、弊社への相談は必要ないはずです。

 やはり、ホームページの数が飽和している中で、ターゲット層も利益率の高い富裕層を狙う企業が増加している今、“デザイン”だけでこの目的を達成するコトが難しいという事実は、サービスを提供している企業にとっては周知の事実なのでしょう。

 また、架空請求のDM(ダイレクトメール)も本物以上に作りこんだデザインになっているそうですが、ホームページもアドレスの表記やソース(プログラム部分)を見ずにデザインだけを比較すれば“高級感”溢れる競合のサイトは幾つも存在していると思われます。

 ・・・っと、ここからがポイントです。

 ここまで“富裕層”をターゲットとしたホームページについてのみ考えてきましたが、ホームページは広告や営業手段の一つであり、ビジネスの一部であるというコトを忘れてはいけません。

 本当に、富裕層をターゲットとしたビジネスを行う企業体制は出来ていますか?

 つまり、この分野には“富裕層をターゲットにしたビジネス”と“ターゲットにしたいと考えている企業”とがあり、この違いはホームページの構成やコンテンツに大きな影響をあたえるものとなります。

 “富裕層”に商品やサービスを提供したいと思ったとしても、肝心のビジネスが対応していなければ必ずどこかに“摩擦が生じる”という話なのですが、どうでしょうか?

 特に、通販目的であれば装丁や包装により“クリアすべき問題点”は少ないかも知れませんが、来店(来院)誘導を促すサイトの場合、トラブルになっているコトも多いと聞きます。

 そもそも“企業の収益”を伸ばす手立てには、基本的に次の3点が考えられます。

・個人の平均購入額を高める

・購入の回転率を早める

・一度の顧客単価を上げる

 その中でもっとも“旨み”がある手立てと言われているものが“顧客単価を上げる”コト・・つまり、高額の商品やサービスを利用される富裕層といわれるお客様の囲い込みという訳です。

 企業の負担は最小限に・・・むしろ、軽減して売上を伸ばす。

 これは、誰もが思い描く“理想的なビジネスモデル”かも知れませんが、実際に富裕層をターゲットとしたビジネスモデルを行っている企業様の取り組み投資は誰もが真似できるというものではありません。

 ホームページのデザインに高級感を加えれば、簡単に売上を伸ばせるというものでは無いのです。

 もちろんデザインによって売上やサービスの受注率が高まるというコトは十分に考えられますので、まったく持って無駄だという話でもないです。

 ですが、各企業にも“スタンス(独自性)”に合わせた立ち位置(ポジション)というものがあり、整っていないサービスや企業体制のまま、“ただやりたい”という思いだけでターゲット層を変えても“成功する確率は低い”のではないでしょうか?

 もし、これだけで成功したのであれば“運がよかった”か“もともと富裕層を対象とできるだけのポテンシャル”を企業や商品(サービス)が持っていたかのどちらかです。

 企業として成長していく姿勢は大切ですが、ホームページ等は企業の提供できる力量を超えず、適正な内容での情報発信を行い、企業の発展に合わせてリニューアルしていく方が、費用のかかるようでもっとも“有効活用”できるのです。

 “富裕層”をターゲットとしたビジネスを行う際は、企業体制と商品(サービス)や設備の品質を整えた上で、ホームページを初めとした告知を目的とした営業を行うべきだと僕は思うのですがいかがでか・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。