名刺にGmailはあり?なし? という記事を見て思うコト。



便利でも都合が悪いってコトがあるのです。Web-STYLE(ウェブスタイル) 

■思わずアドレス帳の全メールを見て、フリーメールの割合をチェックしてしまいました。

 そもそもフリーメールを企業メールとして使うかどうかではなく、Gmailを名刺に表記する点に絞り、ありか、なしかという記事を見たのですが、それぞれの立場からの議論がとても面白くて、興味深く拝見させて頂きました。

 現実的な問題として考えるならば、サブとしてならまだしもメイン使用の企業メールとしてGmailを利用している方は、ほとんど皆無な状況だと思います。

 また、プロバイダメール(ocn、dion、biglobe等)であれば、“なし”なんだけど・・・という点につきましては意見が共通しているようで、あくまで“Gmail”の表記についてのみ述べられているようです。

 やはり、議論はこうでなくてはなりません(笑)。

 ただ、名刺の表記のありなしだけでなく、メイン使用のメールとしての表記だと設定した上で議論されていれば、更に踏み込んだ話が聞けたのではないかと思うと少し残念です。

 企業ホームページが無いといけないから作るといった頃には、今までプロバイダメールでやり取りをしていたので変更は出来ないという話をよく聞いてましたが、今は制作と同時にドメインメールに切り替えられるようです。

 これが企業経営の点から見て、何を意味しているのでしょうか?

 企業様との打ち合わせにてご意見をお聞きしたのですが、ほとんどの方は不安を感じると言われてました・・・それは“その企業体制への不安”と“Googleのデータの取り扱い”等の点を考えてのコトです。

 印象という点から考えれば、自社ドメインをお持ちなのに“Gmail”でのやり取りになると今後の取引そのものを考えるという企業様があるコトは事実として受け止めなければなりません。

 逆に、言われるまで気にしなかったという企業様も確かにいらっしゃいます。

 まぁ、機能性という点から考えて“Gmail”は優れているコトを理解していても、自分のメールがどこに送られているのか分からず、企業間のやり取りしている感じがしないと思われるようなのです。

 便利なサービスを利用しないなんて合理的ではないという反対意見もあるでしょうが、そういう話ではありません。

 “Gmail”そのものが悪い訳ではないという理由として、やり取りしているドメインメールからGmailに“転送”されている場合があっても“やり取りを行う上では”気にしないという意見もあります・・・やり取りの上ではです。

 確かに、他社のサービスを利用しているとサービスの終了と共に使用できなくなるといったデメリットも、Google・・・しかも“Gmail”ですし、突然に利用できなくなるといったコトは考えにくく現実的ではありません。

 ただ、海外の企業であれば別なのかもしれませんが、社内体制という点から考える方にとって、個人でのデータ持ち出しが可能な企業という印象をもたれるようなのです。

 クラウド等の便利さも同時に“信頼を失う原因”となる場合もあるというコトなのでしょう。

 特に、今の時代は企業間のメールやり取りの際には、上司に“cc:”を付けホウレンソウを徹底する規則や社員のメールが上司に転送されているといった仕組みを導入した企業様も増加しています。

 別に“問題点”を見て、“便利さ”を取り入れる新しい世代の意見が間違っている訳ではありません。

 ただ、それとは別に契約を円滑に進めていくための企業の仕組みや社会のルールというものが存在していて、基本を踏まえているからこそ築き上げられていく信頼関係というものを否定するコトはできないという話なのです。

 こちらの方が良いというサービスや習慣はいずれスタンダードになるのかも知れませんが、例え古いと感じようとも全ての企業が“せ~の”で一斉に仕組みが変わる、取り入れるというコトは考えられません。

 今はよく見かけるものであってもスタンダードになるサービス(ブログ、Twitter、ネット広告、etc)や商品(スマホ、タブレット、Blu-ray、etc)も“最近、増えてきたなぁ”と感じるまででも3~5年かかっています。

 仕組みや物事を変化させていくというコトは、本物であるかどうかという議論(機能が優れているサービスである)と同時にそれを導入していく社会のシステムに根ざす期間が必要なのです。

 それは、意識レベルを含むもので、“携帯電話を名刺に書くのも以前は・・・今では・・・、云々”という意見も見かけましたが、サブに書かれているかメインで表記されているかでは、今でも信頼度は異なります。

 全てにおいて“便利”、“優れている”だけで選ばれないという現実は、ビジネスをしていて誰もが感じられる想いです。優れた商品を開発しておきながら、世に出るチャンスが無く消えていった企業は数えきれません。

 逆に、個人であっても大手デパートやメディアで取り上げられ、急成長した企業も多く存在しているというコトも事実には違いありませんが、今回は“運”ではなく“マナー”に近い話なんだと思います。

 そう考えると“ビジネスマナー”や“モラルハザード”といったテーマに通ずる感じがしますね。

 僕自身もGmailは使用していますが、あくまでプライベートであり一般公開はしていません。また、今後もビジネスにおいては公開するつもりはありません。

 Gmailそのものの機能は理解していますが、おそらく“Gmailをメインアドレスにしていたら会社は続かなかった”と僕は思っています。

 良し悪しでなく、それが社会のルールだったからです。

 仮に倒産していたとしても、ただ単にそれは僕の力不足だったと言われれば、何も反論するコトは出来ないのですが・・・まぁ、仮の話をしていても仕方ありませんね(笑)。

 当然ながら、僕の起業時には電話も携帯ではなく設置電話を準備しました。

 これらが全てではないにしろ、会社の存続の一要素となり、一つ一つが積み重なって継続する企業と、消えていく企業とに分かれるのではないでしょうか?

 実際に、それを怠って閉鎖した企業も目にしています。

 WEB企業どうしであれば理解できるものでも、WEBに長けていない企業から個人に至るまで、全てでスタンダードに利用されるまでには多くの時間を有するものです。

 どちらにしても“Gmail”を名刺のメインアドレスに入れる入れないについて、僕なりでも結論は述べませんが、“Gmailを企業利用する有無”を広く知ってもらう機会として、議論がなされるのはすごく良いコトだと思います。

 多くの方に知られる機会があれば、数年後に自然と答えが出ているのではないのでしょうか?

 ・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。