(連載72)WEBサービスの価格設定や値上げは難しい問題なのです。



猿じゃダメらしい。何だか最近特に必要経費が増えてきた気が・・・する?

■どんな業種も設定価格の値上げには頭を抱えるもの、まして適正価格の共通理解が難しいWEBなら尚更?

 さて、事業内容がWEBであろうとなかろうと提供する商品の価格を設定するのは難しい問題です。

 ホームページやそれに伴うプログラムの制作の場合、デザインはもちろんその殆どがオーダーメイドでの制作である上に制作会社独自の仕様(強み)もあり、依頼主である企業様からすれば適正価格かどうかを判断するには専門的な知識が必要になってくるコトでしょう。

 これがもし運営サポート契約における保守費用であれば費用対効果を見ながら貢献度を判断して保守契約を継続するとか、高額な費用でのWEBコンサルティングのサポートであれば契約前に売上目標と提案での見込売上を比較をするといった個別の判断基準があるのですが…。

 ただ、WEB企業側からすれば安易に“提案”を事業内容に述べていると、自社独自の提案やWEBを通した利益設定(結果)を求める企業様が増えたコトにより最近ではトラブルに発展するケースも多くなっているそうです。

 小規模もしくは個人で新規WEB企業を始められる場合、制作を事業の柱とするかWEBサービス提供にて自社責任の範囲を明確にしてリスクの軽減を狙った起業が増えているのだとか。

 それでもWEB企業は“起業”しやすく“倒産”しやすい事業の代表的な扱いをされている気がします。

 もしかしたら、ご相談でもよく聞かれるコトなのですが起業の際の自己資金や運転資金が“ほとんど要らない(少なくて良い)”と思われている方が多いからかも知れません。

WEB事業でなくとも大変なのは起業より存続していくコト!Web-STYLE(ウェブスタイル)

 実のところ、WEB事業で起業したいというご相談は未だに多いです。

 けれどその多くは事業内容やアイデアの独自性ばかりで、肝心の収益モデルや営業方法、経営が軌道に乗るまでの損益分岐と必要経費がこれからという話も少なくありません。

 しかし、各種WEBサービスの利用費やソフトのライセンス費用、人件費や営業経費はもちろんですが交通費や通信費等、一般的な企業様と同じで様々な運転資金は必要ですし、やりたいコトがあれば尚更のコト、資本の有無が成功のカギとなります。

 確か、WEB企業様の倒産原因のデータでは営業が不十分で売り上げが出ないという問題点の割合を超えはしないものの同じくらい“運転資金不足”による黒字倒産が多いそうです。

 また、企業を存続させていくためにはお客様から“適正”だと感じて頂ける価格設定が重要だと言えるでしょう。

 これは単に“安い”ではなく、等価かそれ以上の価値(見返り)があると企業様に感じて頂ける価格のコトなのですが、価値の適正を伝えるコトは難しい上、WEB事業もまたサービス業であるため設定価格に対する顧客満足度が高かったとしても一度設定した価格を簡単には値上げ出来ません。

 2014年4月の消費税増税に伴いサーバーの利用料金を初めとした維持管理費が増加傾向になっており、2015年2月にはドメイン取得(利用更新)費用も値上がりするそうです。

 単に消費税増税に伴う企業負担は売上に対する納税だけを意識しておけば良いというものでなく、関わるサービスや関連会社が多い程、必要な運転資金として大きなものとなってきます。

 今のところ弊社ではサービス価格の見直しは考えていませんが、多くのWEB企業様では企業様毎に独自の見積りを作っているでしょうし、最近の値上げラッシュで経費としての支出が増えつつあるので、サービスを行う上で品質維持や向上のために提供する価格の見直しを考えているところも多いだろうなぁと思う今日この頃なのでした。

 いやはや。。