白ゆき姫殺人事件を観て企業SNSの活用について思う。
- 2014年09月09日
- ホームページ有効活用
■当ブログにおいては映画を観た感想では無く、問題点をWEBビジネスに当てはめて記事を考えてしまうのです。
WEB検索の仕組みが、食べログや価格ドットコム、その他の様々な口コミサイトやポータルサイトが上位に表示されやすくなっている今、匿名性での情報発信についてサイト運営をする企業側がどこまで責任を持つべきなのかと考えてしまうコトがあります。
先日、遅ればせながら“白ゆき姫殺人事件”を観たのですが、コミュニティーツールを使用して個々で情報発信できる手立てが普及したメリットとデメリットが上手く問題定義されていて、WEBをビジネスにしている僕としてはいろいろ悩む場面が多々ありました。
正直な話、インターネットの世界に出回っている情報には“真偽”とは別に発信者の“主観”や“憶測”といった付加情報が付いているのが一般的で、独り歩きした情報に尾ひれが付く様は“人の噂も七十五日”では済まない時代になっているんじゃないかと思います。
もしかしたら、そんな期間すら必要とせず一撃で致命的となるケースも今後は益々増加していくコトでしょう。
映画では殺人事件に関する情報が正しいかどうかではなく、単なる憶測と個々の主観によってSNSで拡散されていく様子にスポットが当たっている訳ですが、リアルな場合でも企業側の思惑とは裏腹に次のような情報に拡散しやすい傾向があるようです。
・強烈なインパクトのある情報
・発信するコトで優越感を得られる極秘情報
・誹謗中傷
・拡散させるコトで収益等のメリットがある情報
まぁ、これらはホンの一部ですが、これをWEBビジネスで考えた場合、企業側で発信してもらいたい情報とコミュニティーツール利用者が発信したいという情報にはズレがあるため、この2つを出来るだけイコールにするための企画が企業様が考えるべきポイントとなっています。
ただ、お得な情報ですら対象者に届いた時点で吸収されて、他の人にまで知らせる程の拡散力を持っていないようです。
そもそも、多くの情報はそれ自体に企業様が効果を期待している程の話題性と拡散力を持っていません。
むしろ、上記でも述べた通り“消費者”に情報がお得というコトを伝える手立てとは別に、発信するコトでも自分に得があるという“情報を拡散させる”ための企画も大切で、従来通りに紙媒体や各種メディア広告も利用した方が相乗効果も大きく、更に速い情報の拡散が見込める場合もあるようです。
また、映画の中では情報を拡散していく“発信側”の人柄にも焦点を当てていたコトが印象に残りました。
映画感想サイトでは無いのでネタバレは書きませんが、コミュニティーツール利用者の性質と拡散させる情報との組み合わせを次の様な例にしてみましたが、企業様がSNSを活用して利益を追求されるのであればターゲット設定はとても大切です。
・良い印象をもつ人が良い情報を流す
・良い印象をもつ人が改善点を公開で指摘する
・悪い印象をもつ人が良い情報を流す
・悪い印象をもつ人が改善点を公開で指摘する
どうでしょうか?
情報そのものが持つ“魅力”によって拡散するケース、商品とは関係なく個々のメリットとデメリットによって拡散するケース、それぞれのバックボーンを理解するコトによって情報発信者の立場が違っていても企業側の思惑に近い“良い情報”として拡散させていく手立ても検討できそうです。
それでも拡散させる規模によっては、全ての情報を管理して企業様に都合良く拡散するという訳にはいかないのが現実です。
今はまだ意図的にネットを使って悪い噂を広めるケースがあったとしても、それが企業様を貶める手立てなのか、個人の“純粋な感想”かどうかを判断する仕組みが無いため、完全にリスクを防ぐコトは出来ません。
仮に、偽りの情報が拡散されるコトで問題が発生した場合、“企業責任”がどこまで問われるのかが焦点となるはずです。
発信された情報に尾ひれが付いて独り歩きしてしまい、個人や他企業への誹謗中傷へと変化しながら拡散されたとして、その責任の所在となる対象は情報の発信元となる企業様に向けられるコトでしょう。
もしそうなったら、個人情報流出と匹敵する程の損害を企業様に与える可能性もあるはずです。
この問題に対する解決の手立てとして考えられる一つには、個人による情報発信の一部“実名制”の導入があるのですが、ここまでWEBサービスの提供が定着してしまった今、とても難しい問題なんだと思います。
例えば、誰が書いたか分からない“口コミ”サイトにある情報の価値はどのくらいあるというのでしょうか?
要は、企業様が情報拡散に対する責任を一手に請け負っている状況から、自己の発言を明確にするコトで“個人”にも責任の一部を持っていただくという課題のクリア…つまり、SNSの利用におけるモラルの向上とルールの定着です。
SNSの活用について意見を見てみると企業様には“会社のマイナスになるならブログやSNSは無い方が良い”というもの、個人様の意見には“個人情報を収集したり詐欺まがいのアプリがなぜ出回ったままなのか”というものが目立ってきました。
これらは個別の資料で見られた意見なので真偽の程はここで考えませんが、情報を提供する側にも受け取る側にも“自身の都合に良い”形式で定着してきたコトに間違いはありません。
そろそろ両者が歩み寄った“心地よい”ルール作りがWEB業界の更なる発展をしていくための課題になっているのではないかと思うのでした…って、映画を観ただけでこんなコトを考えてしまったのですが、WEBビジネスに携わっている以上、WEB業界の発展を願うのも当然と言えば当然でしょう。
どちらにしてもWEB技術の発展のスピードが、使う側の意識改革やモラルの定着のスピードを抜いて久しいんじゃないかと思える今の現状はとても怖いものなのです・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?
いやはや。。