主語不明な検索順位至上主義の増加について考えてみる。



定期シリーズ、検索で一番になりたいを考える。Web-STYLE(ウェブスタイル) 

■検索順位へのこだわりも確かに必要なのですが、それが全てかと言うと・・・。

 定期的に考えるシリーズ“検索で1番になりたい”を考えるです(笑)。では、さっそく本題に入っていきましょう。

 自社のホームページをヤフーやGoogleでの検索で1番上に表示されるようにしたいというご要望は相変わらず多いのですが、実は10年程前であればこんなにも順位へのこだわりが“問題視”されていませんでした。

 もっと自社サイトへの導線や売り上げを伸ばすコト、リピートしてもらえる仕組み作りをご提案していたものです。

 しかし、今では良くも悪くも“SEO(検索エンジン最適化)”という言葉が一般的になり、更には独り歩きしだしているようで“検索至上主義”の方が今も増加しているように感じます。

 売り上げに貢献できているホームページを所有していても“検索結果の順位を最優先”に考え、不満を感じられているという方の増加は、SEOを売りとしてホームページ制作してきたWEB企業側が作ってしまったのでしょう。

 まぁ、ホームページの有効活用とは別の手立てから検索順位を伸ばすコトは可能なのですが、少なくとも“上位に表示させたいキーワード”くらいはサービスを行う側と受ける側の企業間で共通認識をしておく必要があります。

 当然、そのため企業では社内体制作りや予算の確保をしなくてはいけないのですが、その手間や予算は上位に表示させたいキーワードの数によって変わってくるというコトをご理解ください。

 また、忘れてはいけない点ですが、検索結果が一番になれば売り上げが伸びるという保障は何処にもありません。例えるならば、“ダイエットで痩せれば美しくなれる保障はない”といった感じでしょうか?

 美しくなるためには、“健康的”に痩せる必要があります。つまり、痩せるコトは美しくなるための“一要素”でしかなく、目的そのものではないというコトです。

 このコトをホームページ有効活用の視点から考えると“検索エンジンでの上位表示”はビジネスを成功させるための一要素であり、“優先順位”を考慮する手立てであるべきなのです。

 別に、SEOは否定すべきものではありません。

 ただ、企業の立場にたって考えれば、ビジネスの成功(企業の成長)に貢献するホームページの有効活用こそが、サイトを運営している目的であるはずなのですが・・・。

 問い合わせやネット注文を増やす、顧客の囲い込み・リピートの割合を高める、アクセス数を伸ばす等、検索順位を上げるはこれらと同列にあるべき要素ではないのでしょうか?

 しかし、不思議なコトに“検索で1番になる”だけは別格に考えられているのが現実のようです。

 100歩譲って、会社名で検索できないというのであれば理解できます、改善方法の手立てをご提案するコトも可能ですが、そもそも主語のない・・・“とにかく検索で1番に”という漠然なご要望の場合は手の打ちようが無いといっても過言ではありません。

 そもそもこれだけホームページが増えて、それぞれが全国に向けて情報発信をしているのですから、認知度を高めるという点からも検索順位にこだわるという心理は十分に納得できます。

 ただ、れには費用がかかるというコトは先に述べた通りなのです。

 当サイトへの検索キーワードやホームページ制作専門の企業様からの声として、“情報や提案にお金を出してもらえない”という意見があります。※検索ワードには、もっと明確な言い回しのキーワードも多いです。

 その検索ワードの数は“検索で1番したい”という検索ワードと同じ程度の数があり、この二つの意見は立場こそ違いますが、密接な繋がりがあるコトを感じずにはいられません。

 では、なぜ“検索順位”に対してこんなにこだわりがあるのでしょうか?単純に考えれば、企業ホームページの数が多いからだと言われそうです・・・確かに、それもあると思います。

 例えば、今やコンビニの数よりも多いと言われている歯科医院様ですが、個人事業主様と同様に地域に根差しながら、告知活動を行わなければなりません。

 僕が起業する前のデータを見てみるとホームページの所有率は三割以下でした。

 今やホームページは無くてはならないと制作される歯科医院様の数は増加の一途ですし、新規開業を行われる場合には“看板”同様に最初からホームページを制作するコトが当たり前になっています。

 実のとこ、飽和しているのはホームページの数では無く、コンテンツ(発信情報)の方ではないのでしょうか。

 つまり、一般的にはホームページを検索する習慣がついたコトで、ビジネスに繋がる機会が増えたのでしょうが、類似した情報の乱立が目立つようになり一部の業種では足の引っ張り合いにまで発展しているようなのです。

 例えば、漫画家の需要と供給、雑誌の売り上げとコンビニの関係なんて聞くとどう思われますか?

 漫画雑誌の数が増えたおかげで、漫画家になりたかった方へのチャンスが広がっているようですが、1つ1つの作品が目立つ機会が減り、わずかな期間で廃刊となる雑誌も少なくなく、人気の格差は逆に広がっていると言われています。

 また、立ち読みという無料での情報収集行為が、雑誌の売り上げの低迷に関して全く関係が無いとは誰も言えないのではないでしょうか?

 つまり、コンビニ店舗の増加が雑誌の廃刊を促し、漫画家の生き残りを難しくしているという考えです。

 この危機感に関しては、業界でも先行きを考えているのでしょうが、雑誌を携帯で撮影して店員さんに注意されている場面なんかに出会わせると同じように情報をビジネスにしているという点からWEB業界の今後をを心配せずにはいられません。

 今の時代は、企業規模にも格差が生じており、エンドユーザーと繋がる機会を増やしていくコトが必須事項だと言います。

 そして、この繋がる手立ての一つとしてホームページの有効活用が注目されており、この点が検索上位へのこだわりに拍車をかけているのかも知れません。

 しかし、ビジネスである以上、企業の売り上げや貢献度とは関係なく、検索順位をあげる“だけ”にも対価は必要です。今後はもっとネット広告の価格競争等も激化していきますし・・・。

 実際に、一部では広告のシステムが変わるという話も聞いていますので、ネット広告の変化についても考えた点を記事にするとは思います。ただ、クライアント企業様へのご報告とは違いますので、気になる方はご自身でお調べください・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。