契約WEB企業の廃業や解約のデメリットについて考えてみる。



受けているWEBサービスの把握もリスクヘッジの一つ!Web-STYLE(ウェブスタイル)

■検索順位を上げるために有効なWEBサービスが、Googleにとって未来永劫に認められた有効な手立てとは限らないのです。

 “最近やっと”という感じなのですが、WEBの業界においても事業内容による企業間の棲み分けが出来てきたように思います。

 弊社においてもWEBサイト運営のサポートやホームページを有効活用した収益モデルを見直すための提案を、直接、WEBサイト制作会社様から依頼されるという割合が年々増加しており、10年程前にはWEB制作会社と運営サポート会社は競合であるという認識から顧客の取り合いばかり目立っていたコトを考えると時代の流れを感じずにはいられません。

 おそらく企業の生き残りが特に難しいと言われるWEB業界ですので、自社だけで新規顧客の獲得や既存顧客の囲い込みをしていくよりも、それぞれ異なる“強み”をもったWEB企業間で業務提携を行った方がメリットが大きいという結論に至った経営者様が増えてきたというコトなのでしょう。

 …とは言っても、あくまで事業内容の異なるWEB企業同士なら役割分担による事業強化が出来るだろうという話であり、依頼側となる大半の企業様にとっては何処に頼んでも同じ“ホームページ屋さん”という認識がほとんどのようです。

 そのため、企業様の望むWEBサイトの活用のサポートに最適な業者選びが出来ていないミスマッチなケースも多く、その中には入れ替わりの激しいWEB企業の廃業や倒産による不利益を被った企業様も毎年多く見受けられます。

月額保守にて業者から受けていたWEBサービスを全て自社でカバー出来るのか?Web-STYLE(ウェブスタイル)

 それでも、今のWEBサービス環境と企業様のサイト所有率を考えると何らかの形でWEB会社との契約はあるコトでしょう。

 しかし、取引先のWEB会社の廃業が原因でなくとも案外“必要ない”と判断した契約解除や契約企業の乗り換えがきっかけで、インターネットが出来なくなったり、ホームページが消えてしまうというものから、ライセンスの所有権や収益の減少に直結する被害までの様々なリスクの事例がありますので、常に契約中のWEB会社との繋がりは正しく理解しておくコトが大切な訳です。

 別に、こちらから更新等の保守契約の解約をしなくとも、意図しない契約WEB業者の“廃業”という場合もあります。

 WEBサービス…特にホームページ(インターネット)やWEBデザインといったビジネスは比較的容易に起業が出来るため、個人事業という事業形態も含めると5年後には三割程度しか存続できていないとまで言われるコトがありますが、そのため“経営実績”をWEB業者選びの一つの判断基準にしている経営者様も多いようです。

 確かに、これだけで正しい業者選びが出来るとは思いませんが、“リース”や“年縛り”にて契約を行うWEB企業様が契約後にすぐ廃業の連絡をしてきたというトラブルの事例もある訳ですから、未だにWEB会社との長期契約に抵抗を持たれる経営者様が多いという現実も仕方のない話かもしれません。

 要は、一括での支払いが可能なWEB企業でもランディング契約とは異なるリスクを伴うコトがある、そしてWEB会社の提供しているサービスと事業内容の違いにより解約に伴うリスクも異なってくるという2つの認識を企業様は持つ必要があるというコトなのです。

 それでは、ここで簡単ですがWEBの業者が廃業した際に考えられるデメリットについて考えてみたいと思います。

 まず、次の図をご覧ください。

ホームページ企業が提供するサービスには見えないものがある?Web-STYLE(ウェブスタイル)

 上記の様に企業様がランディング契約をしているWEB会社から提供される各種サービスには、次に挙げる業務内容のいずれかが含まれているのではないでしょうか?

・更新サポート

・運営サポート

・SEOサポート

 何度か弊社の位置づけをWEB業者の事業内容別ポジション図にてご紹介しています(参照記事:自社でサイト運営する苦労は誰よりも分かっている。)が、実のところ、主となる収益モデルが違うだけで業務内容は重なるといったWEB企業様も多いというのが現状で、そう考えると一番厄介で注意が必要なのは提供するサービスの重なりが大きいWEB運営サポート会社の廃業や契約解除かも知れません。

 では、代表的なリスクの事例を2つ程ご紹介しましょう。

1)ライセンスや代理契約の有無

 折角、予算を出してブログの制作を行ったにも拘らずライセンスは制作会社が所有している、またドメイン取得やサーバーも代理でWEB会社が手続きしてくれているというのはよくある話です。

 こういったサービスの提供を行っている契約業者が廃業した場合、企業様の財産であるホームページのデータが無くなったり、プログラムを入れ替えをしないと継続して使用できなくなったりするというリスクが伴います。

 いやいやいや、そんな大げさな話ではないだろう!

 そう思われる経営者の方も多いかも知れませんが、“ホームページデータが無くなっちゃいました”という案内を最後に廃業されたというご相談も年に数件はありますし、特別に珍しい事例という話でもありません。

 また、ドメインやサーバーの管理を業者へ丸投げしていて、しばらくは何ともなかったのに忘れた頃、ある日突然ホームページが見られなくなったという事例はそれ以上に多く、一般的な“WEB管理”についての認識は低いと言えるでしょう。

2)Googleペナルティ(ガイドライン違反)に対する対処

 まだあまり問題視されていませんが、数年前に“SEOの有効な手立て”として被リンク数を増やす有償登録が流行していて、このサービスの利用をしていた過去が原因でホームページからの収益が急激に減少するという事例が増えてきています。

 今ではサイト誘導が目的の無意味な被リンクがペナルティになる場合もあり、ある日突然“Google”から警告メールが着て自社サイトが検索できなくなる(順位が下がる)という状況に陥るといったものです。

 こんな状況で更に登録依頼を行ったSEO業者が会社を閉鎖していたらほとんどの企業様はお手上げとなるコトでしょう。

 ちなみに、このGoogleペナルティに繋がる“ブラックハットSEO”については当ブログにおいても何度かご紹介していますから、サイト内検索にて簡単な概要はご覧頂けるものとして、今回は話を先に進めて行くコトにします。

 単純に企業利益に繋がると思い“業者”に依頼して増やしてもらった数万ものリンクが、突然、無意味なものを選んで消せと言われてもそもそも何処からリンクされているものなのかも分からず、結局はドメインの変更とホームページのリニューアルという判断しかできない企業様も多いようです。

 これらGoogleからの警告に当たるリンクを安価で簡単に消すコトが出来たら何の苦労はないのに、依頼していたSEO会社は既に倒産しているみたいだし何もできない…。

 こういった事例の場合、“プロバイダ責任(制限)法”を利用して契約プロバイダにご相談するという方法も選択の一つなのですが、それよりも先にして頂きたいコトは“業務引き継ぎ先の有無”と“ホントに廃業しているかの確認”です。

 実のところ、事情は様々あるのでしょうが企業イメージを一新させたい等の理由で、会社の名前を変えてから結果的に経営を継続しているといったWEB会社様も少なくありません。

 調べると対応して頂ける企業様も多いようです。

 弊社でも一番最初に取得した電話番号が、廃業したWEB会社のものだったらしく“社名変えてもお支払いはしてもらう”といったちょっと怖くなるお問い合わせが相次いで仕事にならなかったため、直ぐに電話番号を変えてもらったという経験がありましたが、もしかしたらその企業様も…。

 どちらにしても、ホントの意味でWEBに精通する担当様を育てながら社内体制を作っていなければ、こういった場合はWEB運営サポートを行っている企業様か少し高額にはなりますが専門のITコンサルティング会社へご相談されるのが良いでしょう。

 ホントはここでもっと事例を交えて話したいポイントはありますが既に文章が長くなってきましたし、更新予定の時間も過ぎていますので、続きは別の機会にでも記事にまとめるコトにします・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。