アイデアを持つ新人が自由に制作できないWEB会社に感じる。



チャンスは自身に都合良く訪れるものでは無いのです。Web-STYLE(ウェブスタイル) 

■ドラマだといきなり主人公がプロジェクトに抜擢されたりしますが、現実は下積みがある訳で・・・。

 多くのWEB企業においてホームページ制作を行う際に、気を付けているポイントとして“基本を抑える”と“形式にこだわらない”というものがあります。

 いわゆる“テンプレート”と“アイデア”です。

 一見、この2つのポイントは対極にあるように思われますが、それはちょっと違うと僕は考えてます。

 例えば、個性あふれるデザインを作れるとしても“新人だから”という理由で、やりたいようにやらせてもらえないというコトは、どの会社にもある話です。

 実際に、この点については不満をお持ちの方もいらっしゃるようですが、企業としては“成功しそうだから”という理由だけで自由にさせているというケースは少ないでしょう。

 まぁ、社運をかけても良いと思わせるだけのアイデアであれば別なんでしょうが・・・。

 今の時代、確かにアイデアというものは大きな収益を生む可能性を持つものであり、企業をブランディングしていく上で作り出していかなければならない一つの課題となっています。

 しかし、企業側では“成功しそう失敗しない訳ではない”という考えのもとで判断を行っている訳で、余程、新人育成に力を入れているか、資本力と時間が有り余っている訳でもない限り、“下積み”を経験してもらうコトになるのでしょう。

 これは、即戦力として途中入社している場合も同様で“会社を理解してもらう期間”があるはずです。

 では、話を戻していきましょう。

 少し前に続編の制作も決まっている(・・・らしい?)映画「ガッチャマン」に関するWEBニュースで「コケる要素が無いのに、どうして興行成績が伸びない?」といったものを見かけました。

 “コケる要素”とはマイナスを回避するための要素であり、云わば弊社で言うところの“リスクヘッジ”に当たります…って、これはホームページの制作するところの“成功する”ための要素とは別の話で、論点がずれてないかって感じです。

 つまり、“コケる要素”が無くとも、当たるための要素を有しているのか検証している訳ではないのですから、これでは単純にエンドユーザーとなる見込み客の数値設定が甘かったとしか言いようがありません。

 “コケる要素=マイナスの要素”、“当たる要素=プラスの要素”と考えれば、“コケる要素が無い=マイナスの要素がない”というコトだけで、こういったニュースを発信していくコトは、情報の品質から考えてどうなんでしょうか…。

 折角なんで、もう一つ例を上げてみます。

 今、視聴率で人気のドラマ「半沢直樹」ですが、現場では陸上大会の中継等も控えており、当初は“繋ぎの番組”として見ており、人気の若手や有名なアーティストによる主題歌、恋愛要素も入れてなく、何で受けているのか分からないというWEBニュースがありました。

 実際に蓋を開けてみると、局毎のドラマ平均視聴率の順位を1つ上げるまでのモンスター番組になったとか・・・局としては、慌てて話数の延長も考えたそうですが不可能だったらしく、視聴者側としてはだらだらと引き伸ばされるより良かったと思います。

 ここから制作現場の無難な作りと視聴者の求めているもののギャップを感じた方も多いはず。

 どちらにしても、この“成功”が企業のノウハウとして蓄積されるか、今回限りの単発の結果となるかが楽しみです。もちろん、続編ではなくドラマやその他の番組にノウハウが生かされるかどうかという意味でですが・・・。

 まぁ、これらの例に関わらずモノを作り上げていくという行為は、大人の事情やパワーバランス、成功させたいという思いの強さを試される行為なんだと思います。

 逆に、某芸人の映画のようにニッチを狙ったり、赤字でも二次的販路でとんとんになれば良いというビジネスも存在すると思われるので、ホントに難しいものです。

 度が過ぎて業界の衰退にまで影響してこなければ良いのですが、さて、どうなんでしょうか。

 まぁ、ここまでいろいろと脱線しながら述べてきましたが、これらは別にホームページの制作に関係のない話という訳ではありません。

 “アイデア”と“ノウハウ”は2つ揃って初めて有効活用するコトが出来るという話であり、“基本を抑える”というものと“形式にこだわらない”もまたセットで初めて成功させやすいホームページの制作が出来るという話です。

 経験やノウハウという基本を踏まえている新しいアイデアは強いものです。

 それに対し、どんなに奇抜なものでも“まず、アイデアありき”では、否定をしませんが“博打要素”が多分に含まれている事実は間違いなく、上司となるディレクターのジャッジが無ければ“単なる思い付き”と判断されるのも仕方ないのかも知れません。

 煙たく感じるかも知れませんが、パワーバランスという力関係も時には必要だという訳です。

 僕は、基本やテンプレートというものには、ずっと続いているだけの理由や強みがあり、アイデアというものはそれに加えていく要素、その延長上にあるものだと思っています。 

  そして、良いアイデアは“真似”され、次の時代のテンプレートになっていくのでしょう。

 それでも、もし絶対に成功させるから自分の“アイデア”を試したいというのであれば、企業の資本を当てにせず、自身で起業して行うべきだと思います。

 それは、失敗するリスクは企業で成功は自身の実力だという甘えを無くし、失敗のリスクも成功のメリットも自身の行為の結果として返ってくる、これが正しいビジネスのあり方だからです。

 そうそう最後になりましたが、奇抜なWEBサイトのデザインについては近々別の記事にまとめて考えてみようと思っていたりします・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。