みずほ銀行のCM告知とその後について考えてみる。



どんな手立てを使って告知しても100%網羅は出来ない。Web-STYLE(ウェブスタイル) 

■なぜ、銀行内での告知とCMを繰り返したと言われるのにATM停止がニュースになったのか?

 みずほ銀行の合併に伴うシステム作業のために月末にATMが6月29日から7月1日にかけて使えなくなる…そんな中で、“知らなかった”、“忘れていた”というコトが原因で手持ちのお金が無くて困ったというニュースを6月30日に見かけました。

 いやいや、ニュースだけではないですね、ヤフーコメントや各SNSでも話題になっていたようです。

 まぁ、“忘れていた”という話は自己責任っぽいので置いとくとして、僕が気になったのは“知らなかった”という意見です…というのも銀行側としては万全を期すためのシステムの一時停止で、そのためにCMを初め十分な告知をしていたとアナウンスされたからです。

 ここで、僕が問題と思うのは“情報”の拡散についてです。皆さんもご存知の通り、情報は大きく分けた場合、次の2つが考えられます。ただし、知りえない上に興味のないというものは除きます。

1)自ら欲する情報

2)自分に関係するまだ知らない情報

 “(1)”の場合は、知識欲と言われるもので既に知っている情報に対し、もっと新しいまたは詳しい情報を知ろうというもので、ネットの場合ではキーワードを駆使してマッチングによりたどり着いてもらうものです。

 小説の映画化に伴う最新情報やサイトでのネット販売に関するテクニックの情報等がそうです。

 “(2)”の場合になると“リコールによる回収や無料修理”等の情報発信を各メディアを活用して行うという例が思い浮かぶのではないでしょうか。

 ただ、口コミなどをきっかけに“意識”をしない限り、エンドユーザーが積極的に情報を得るためのアクションを起こしてくれるコトはありません。誰もがそうですが、自分が使っている車やエアコンにリコールが出てないか調べるなんて機会は日常生活の中では皆無です。

 今回の“知らなかった”という点から思い浮かぶ疑念として、テレビCMというメディアは“リスクヘッジ”としては発信力が弱まってきているのではないかと想定するコトが出来ます。

 もちろんこれは単独での発信力の低下という意味ですが・・・。

 企業を守るための情報発信においてCMも効果が期待できなくなってしまった場合、企業責任はどこまで求められるのか…今回のような規模や内容でなく、もっと大きな不具合による問題が発生した際にその答えは見つかるかも知れません。

 では、インターネットはその代替手段に成りえるのか?

 どうでしょうか。

 これからの時代は、情報発信を行っていくにしても何か一つのメディアに集中し、それが長期間にわたり安定していくとは考え難いです。

 例えば、ホームページに記載しただけでは、そこに“大切な情報があると知らない”のですから、偶然もしくは別件でたどり着いた訪問者を除けば、多くの人に情報が届くコトはないでしょう。

 また、SNSを使えばいけるのでは…という考えも過ぎりますが、SNSこそサービス利用の割合や主サービスの入れ替わりの速さを考えると全盛期のテレビCM程の告知効果は期待できません。

 唯一、考えるならば国民総背番号制において国民全体に告知すべきものを共有するツールを作る…といった手立てですが、こちらはこちらで別の問題があって今はまだ現実味をおびているとは思えないです(笑)。

 まぁ、国民全体に関係するような大事件なら、心配しなくても情報は自然と拡散して行くでしょうし、まわりの雰囲気にも気付くのでしょうが…。

 そう言えば、1938年10月30日にアメリカのラジオ番組のハロウィン企画で“火星人が攻めてきた”と放送してパニックを引き起こしたという事件がありましたが、今も同様にネット発信から話題になったというニュースを時々耳にします。

 ただ、これを意図的に行うというと難しいものです。

 というコトは、“みずほ銀行”利用者とは関係ない人にも興味が湧いて話題にしたくなる付加価値を付けた上でクロスメディアにて情報発信を行っていればあるいは…という可能性はあるかも知れません。

 例えば、話題のドラマやアニメとタイアップして次回予告やネット配信のショートストーリー編にて配信するとか、他にもいろいろとアイデアは出てきますが、企業としてここまでしなければならないのかどうかは疑問です。

 しかし、これも資本力があれば可能であり選べる手段であって一般的だとは言えません。

 逆に、某チェーン店での衛生面での問題発覚がネットから拡散したニュースも記憶に新しいですが、ホームページにてのお詫びを掲載しほとぼりが冷めた頃に関連情報だけを“無かったコト”のように削除していたというコトで再度話題になっていたようです。

 歪んだ見方をすれば、あえて拡散させない既成事実のための発信であり、企業としてはきちんと情報発信したという体裁だけを整えた手段だとも感じ取れます。

 まぁ、企業への判断は消費者の皆さんに委ねるとして、情報発信は真意と根深い問題も大きいようです。この点につきましては、別の機会にテーマに取り上げてみようと思います。

  やはり、今後はネットのポジションというか役割分担を進めて他のメディアとのネットワークを強化していかなければ、“情報格差”は無くしていけないようです・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。