SNSが企業経営に及ぼす影響(リスク)について考えてみる。その2



せめて自社の公式SNSと繋がる方との信頼とルール作りに努める。Web-STYLE(ウェブスタイル)

■SNSでの爆発的な情報拡散が、企業の存続を危ぶむかも知れない時代なのにリスクマネージメントは難しい?

 さて、早速ですが前回に引き続き“SNS”が企業様に及ぼす影響について考えて行きましょう。

 今や企業様の経営戦略においてWEBの有効活用は欠かせない要素なのですが、実のところ、その活用方法についてのアイデアは流用されるものばかりで企業独自の展開リスクの想定が成されていない提案が数多くあり、企業間トラブルに発展したというご相談の件数は年々増加しているというのが状況です。

 いわゆるテンプレート提案の使い回しというもので、少し前であれば企業ホームページにブログを設置して“SEO”のために“毎日更新してください”というのが、これに当たるかも知れません。

 まぁ、確かに“基本的”な社内運営の体制が出来るまでは、テンプレートの作業も十分有効な手立てで大切な手段なのですが、いつまでもそればかりだとブログを毎日書けば売り上げが伸びるの?、何を書いてもメリットだけでリスクは無いの?…と言った疑問が生じます。

企業とは独立してSNSはあり、企業側の思惑は届きにくい。Web-STYLE(ウェブスタイル)

 当然なのですが、ビジネスはたまたま“結果的にうまくいった”というのでは、成功しないよりも“マシ”と言うだけで、維持・継続できる可能性も不明であるため、あまり褒められた状況では無いでしょう。

 では、ここで本題であるSNSが企業様に及ぼす影響の原因についての例をもう1点考えてみます。

2)SNSを利用している方の目的やルールが見えていない点。

 前回で取り上げたのは、“利用者が見えない”という点でした。

 しかし、実際は利用者だけでは無く、個々の考えている目的やルールの線引きも見えていないため、この点に企業様がリスクヘッジを行う難しさがあるという訳です。

 例えるならトランプゲーム等で地方ルールがあると“もめる”という状況がこれに近いかも知れません。

 そもそも“SNS”は活用目的を共有でないコミュニケーションツールであるコトを理解しておく必要があります。

 また、共通の興味関心の高い話題で自分の意見を発信しているだけで、企業側にとって都合の悪い意見も貶めるといった悪意は無く、単に“情報不足”や“思い込み”である場合がほとんどです。

 では、ここで次の図をご覧ください。

基本的にSNSは、共通の話題で意見交換をしているだけのツールなのです。Web-STYLE(ウェブスタイル)

 仕事での活用かプライベートでの楽しみか、単なる付き合いなのか、情報発信か拡散か意見交換か…極端な話をすれば、有効利用か結果論も含めた悪用なのか、はたまた別に“何も考えていない”という方もいらっしゃるコトでしょう。

 ただ、これらの方々が自由に繋がるツールが存在している以上、今後もリスクマネージメント力は企業存続のために一層大きな割合を占めてくるはずです。

 これらの対策を一企業で全て行うというのは大変難しいコトなのですが、“育客”という視点に絞って考えれば企業様に出来るコトも幾つか出てくると思います。

 そのひとつがクレームを“正しく行う”という消費者の意識改革をしていくための手立ての重要性です。

 その昔、経営者の皆様から“ホームページを見て来られるお客さんには変な人が多い”というご意見をお聞きする機会が何度となく有りました。

 しかし、これだけインターネットが生活に根差した今、変なのはお客様では無く“サイト運営側”の方だという意識でリスクヘッジを行わなければ企業を守っていくコトは出来ません。

 事実、古い情報やキャンペーンをそのままにしていたり、間違った情報を掲載していたり、トラブルになった原因は突っ込みどころの多いホームページを運営していたという事例の方が今では多いような気がします。

・悪い噂は真偽不明でも独り歩きする

・利用者の意図の予測が難しい

 上記の2点はある意味仕方のないWEBを取り巻く現在の環境なのでしょう。

 けれど、これらに対して不平不満を言ったとしてもそこには何の生産性も無く、むしろ、SNSを媒体とした情報の拡散は大手企業の存続ですら危ぶむツールとなっている事実を認めて対策をしておく方が賢いと言えるかも知れません。

 ただし、拡散される企業情報の真偽や発信者に悪意があるかどうかを確かめるのは難しく、ソーシャルサービスを活用した自分自身の不利となると思える悪戯や犯罪行為の動画等を公開する人が後を絶たない状況を考えても判断に苦しむところです。

 確かに、今はまだSNSは利用者側からもサービスを提供するシステム側からも未熟なツールなのかも知れませんが、せめて自社を取り巻く近い層からでもクレームでの繋がり等をきっかけに信頼関係を深めて質の向上を行っていくコトは可能です。

 昨今、ホームページでも“プライバシーポリシー”は掲載しているにも拘らず、肝心のクレームをする問い合わせ先を掲載していない(もしくは、分かり難くしてある)WEBサイトが増えていると聞きますが、とても勿体ないコトだと思います。

 まぁ、“正しいクレーム”とはどんなものだろうという点については次の記事にでもまとめたいと思いますが、お客様が自社のファンとなっていて何かが起こった時に味方をしてくれるというのは企業側にとってとても有り難いものなのです。

 リアルでもお店ごとに雰囲気の特徴があり、そこへ来店されたお客様が同じ行動をとってしまうというデータが有りますが、せめて自社に繋がる方と良い関係を築ければリスク回避の第一歩は踏み出せたと考えて良いのかも知れません・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。