ホームページにおけるアクセス数の減少について考えてみる。
- 2013年10月29日
- ホームページ有効活用
■アクセス数の減少や検索順位の下降など、その現象だけで“悪い”という判断をする前に他の情報も見る。
ホームページ運営におけるご相談の中に、言われている問題点が見当たらずに不思議に感じるものがあります。
例えばアクセス数が減少しているというご相談の場合で、ホームページの診断を行ってみるとWEBサイトを通した売り上げやお問い合わせの数は変化はむしろ増加していた・・・なんてご相談がそうです。
このケースでは専門的で分かり難いWEBの世界において、自社ホームページのアクセス数が減少してしまい“このままでは企業の経営に影響が出てしまうかも”と漠然とした経営者様の不安の現れなんだと思います。
もちろん、アクセス数の減少とは別にホームページは育てていくものですから、企業に貢献するより良いWEBサイトにするための改善点もあるのでしょうが、心配される問題点がずれてしまっているというコトは多々あるものです。
このように1点だけを見て良し悪しを決めていると本題を見落としてしまい“落とし穴”に陥るコトがあります。
気を付けて欲しい点ですが“アクセス数の減少=売り上げの減少”ではありません。
事実として“アクセス数が減少した”というだけで、単にアクセス数を戻して更に増やしたいのか、売り上げも減少したから改善点を提案してもらいたいのか・・・こういった場面でもWEB企業の強みとなるヒアリングの能力は求められるものです。
まぁ、問題解決のためのサービスを提供する側の企業においてもWEBに限らず営業や宣伝広告の巧みな言葉マジックに、問題点の本題がぼやけてしまうというコトはあるようですが・・・。
このまま“アクセス数の減少”を例に話を進めていきますが、そんなケースにおいてはWEB企業の提供するサービスを提案する営業にてアクセス数さえ伸ばせば、あたかも抱えている全て問題が解決するだろうと企業様が勝手に思い込んでしまうのか、思い込ませてしまっているのか、いったいどちらなのでしょうか。
実際には問題を解決するには、関連する物事の全体を見なければ提案できないものです。
確かに上記のような過度なステマやミスリード、バーナム効果※(Barnum effect)を狙った心理操作による営業じゃないかと思わせる事例も耳にします。※誰にでも該当する曖昧で一般的な性格を自分だけに当てはまると思い込ませる効果
また、“アクセス数のアップ”をサポートするWEBビジネスに“ネット広告”や“SEO”、“カテゴリ登録”等が考えられますが、これらの手立ては目的が違うもので、求める結果により導入する手立ての選択をしなければなりません。
“木を見て森を見ず”とはよく言ったものですが、そもそもアクセス数の減少は本当に駄目なコトなのでしょうか。
一般的に自社ホームページの“アクセス数が多い=売り上げが伸びる”と思われがちですが、アクセス数が少なくとも十分な売り上げを出しているWEBサイトは数多くありますし、アクセス数を伸ばしたとしても次の様な逆効果も考えられます。
・社内体制(生産体制)が整っておらず、アクセス数の増加が企業イメージのダウンに繋がりかねない。
・SEOにより検索されるキーワードと共にアクセス数が伸びたが、ビジネスに繋がらず購買率が低下した。
・経営者様の思い描く、アクセス数が伸びた場合の青写真が違い、WEB企業間とのトラブルに発展する。
また、アクセス数を増やす手立てもターゲット層が“既存客にリピートさせる”、“新規の顧客を開拓する”とで違いますし、“口コミ効果を考えた導線”を作るのと“新規の検索ワードを開拓する”のでは全く異なるものです。
最近では、ハミングバードアルゴリズムの影響なのか分かりませんが、SSL検索による“(not provided)”を除いて考えたとしてもキーワードの種類が減少している企業様が見受けられるようになってきました。
もちろん、そういうケースではアクセス数も多少は減少していますが、ネット通販の売上やサービスへの問い合わせ数には変化がなかったり、逆に増加しているものも多く、一概にはアクセス数の減少が企業の不利益だと言いきれない事例も目立ちます。
自社ホームページの運営は目標を見定めるコトが大切であり、何も過剰に心配になる必要はないのでしょう。
検索エンジンの仕組の変化だけではなく、同業他社によるホームページの飽和、検索エンジンによる自社サイト評価で不利となる運営方法など原因が違っていれば、アクセス数が減少したという結果が同じでも“企業への貢献度”や“ホームページの品質”は異なってくるという訳なのです。
アクセス数の減少も、ビジネスに繋がる訪問者の選別という意味ではむしろ良い傾向なのかも知れません。
アクセスログに限って言えば、それぞれの数値の推移を見る上で“数値の増減”として1つ1つを見るか“結果に繋がる一要素”として全体を見るかは人それぞれです・・・が、これが結構重要なポイントだったりします。
WEB運営サポートの会社を選ぶときには、企業のノウハウ以上に担当の資質がな時もあるでしょう。
1つのコトが原因で物事が連鎖していき“結果”に繋がる。
こうなってしまったという事例とは逆に、意図的に良い結果を出そうとデータの1点だけに目を向けてそこを改善したら、予想通りに良い結果に繋がったというのは稀なケースです。
その1点をスタートにどう連鎖していくかまでを考えた改善点の提案が必要であり、減少したアクセスがビジネスのターゲット層であれば呼び戻す手立てを、ビジネスに繋がらない層の減少だったのなら焦らずに、その購入率のままでアクセス数を伸ばせば良いのだと思います。
ちなみに今回は、ホームページのアクセス数が多いとか少ないとかいった話ではなく、ホームページの運営において何か問題が起こった場合には、その現象を取り巻く情報までも考慮しないと無駄な経費が必要になったり、手立ての導入における優先順位の判断ミスに繋がりかねないという話でした。
まぁ、専門的なビジネスをしていても1つのデータが欠けるだけで問題点の推測や改善点の提案が違ってくるくらいですから、全ての企業様で気を付けてくださいと言ってもこれは難しい話なんですけど・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?
いやはや。。