過度や過剰といったサイト内の情報量について考えてみる。



何事にも効果の出る適切な量というものが存在するはず。Web-STYLE(ウェブスタイル) 

■大は小を兼ねないのがWEBを活用したビジネスの難しい点、広げ過ぎた風呂敷は逆に企業を苦しめる。

 物事は“シンプル”にというのが僕のモットーの一つですが、ホームページを使って発信する情報が“適切”だと言える量はどのくらいなのでしょうか。

 シンプルに要点を伝えるコト、と同時に情報を多くして魅力を伝えるコト・・・このジレンマ。

 ビジネスにおいてWEBを導入した本来の目的さえ見失わなければ、他人の言葉に惑わされずに適切な情報発信がしていけそうですが、如何せん、サイトの情報は“多い方が良い”と言った論争になりがちです。

 案外、軽んじられているポイントが“1サイト1テーマ”というコンセプトで、キーワードを欲張ってホームページに過度な情報の詰め込みを行うコトはサイトの評価を下げてしまうのに、ホームページ制作やリニューアルを促す営業さんの「ページ数は多いほど良い」という提案ばかりが目立つ時期もありました。

 確かに、弊社でも医療機関様や建設会社様をはじめページ構成が100ページを超えて結果を出しているサイトも複数あります。

 しかし、このページ数は1つのビジネスモデルや企業様の魅力や強みを伝えるために必要だと判断した情報量の結果であり、無理やりに追加したページやブログ等のCMSは含んでいません。

 当然ながら、ページに表記する文字数は全て何文字以上にといった無理な文章量の水増しも無いです。

 ですが、それと同時にサイトを構成するページが10ページにも満たない状況で目的を達成し、成功している企業ホームページも多く存在しているというコトを知っておくべきです。

 そもそも業種業態によってはサイト訪問者の平均ページ閲覧数が3ページだったり、7ページだったり、先の記事で書いたように特別な思惑でもない限りホームページの全てを閲覧されるコトはありません。

 つまり、企業ホームページは、1,000ページ有ろうが100ページ有ろうが、逆に10ページも無かろうが、あまりエンドユーザーには関係なく、むしろ、ページの中の情報が無理やりな詰め込みか、適切な表現なのかの方が重要だと言えそうです。

 忘れていけないのは、過度な“SEO”がビジネスチャンスを逃しているケースもあるという点です。

 どうも日本では、ヤフーやGoogleにおける検索はサービスであり、調べている内容により適切な情報を提供できる有効なWEBサイトを順に表示しているのですが、自社サイトの順位を意図的に、しかも過剰に上げるコトばかりにこだわりがちなのではないしょうか。

 もちろん、表舞台に出るチャンスがあれば企業の力を発揮できるケースもありますので、全てを否定しませんが、潜在顧客となりえる方々が“このサイトは検索順位1番に相応しくない”と判断すれば逆効果です。

 この点は、僕の意見がどうこうとは関係なく意識しておいて欲しい点ですね。

 あくまで、自社サイトに潜在顧客が到達するというのは本来“そういう道筋もある”という付加価値でしかなく、やはり集客のためには企業ブランドを高めていき、広告をはじめとする“動き”は大切です。

 WEB業界が今まで営業においてお客様の奪い合いをしてきたという歴史が一つの原因なのでしょうが、なぜかホームページは所有するだけでお客様を呼び込む手立てが充実してるというイメージが強く、SEO等の手立てに特化するコトで安定した収益を得られると安易に考えられています。

 まぁ、これは都市伝説のようなものですね。

 その程度のコトでビジネスが成功するならば、全てのWEBサイトを成功させられます。

  実際、SEOによる過度な期待を企業様に持たせてしまい企業間でトラブルとなった事例は多くありますし、逆にSEOに特化して売り上げ額が昨年比較でかなり増収という成功例もあります。

 う~ん、これではどちらが正解なのか?

 おそらく基本は、サイトの持つポテンシャルに適した検索順位の維持とネット広告等の併用、専門ポータルサイトや場合によっては役場サイトからの導線作りから始めるコトが理想なんだと思います。

 第一、企業の利益や売り上げを伸ばすために、ホームページの更新を行うのであれば“やる気”も出ますが、検索順位を上げるためだけに更新するというのは空しいじゃないですか。

 理想は、SEOを意識しながら企業の魅力を伝える情報を追加していくための更新をする・・・ですね。

 おいしいコース料理も“もう少し食べたかったな”という物足りなさが、次回の来店に繋げるという話もあるくらいですから、ホームページも問い合わせや来店してみようかなと思わせるための適切な情報発信量があると思います。

 詳細は割愛しますが、この点からホームページを見直すのであれば、サイト構成、発信情報のグループ(カテゴリ)分類、ページ構成の順番で考えると良いでしょう。

 “最善”を突き詰めていくのであれば、“適切”を極める。

 これが成功するWEBビジネスのポイントの一つだと思いつつ、クライアント企業様のホームページの構成を提案している僕ですが、思っている以上に時間が掛かるものなんですよね。

 また、ホームページ制作をチームで行う弊社と違い、専門家が各自のホームページを制作するケースでは、デザイナーの持つ力量で出来上がりが左右されるコトもあり、これもまたWEB制作会社様にとっては課題なのかも知れません・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。