ホームページ制作の適正価格について久しぶりに少し思う。



適正価格とはクライアント側からみて安いだけで良いはずはない。Web-STYLE(ウェブスタイル) 

■制作側がこれだけ手間がかかっているからと言っても立場が異なれば“適正価格”とは思わない?

 何だか定期的にホームページの“適正価格”についてブログ記事のテーマにあげている気がするものの、いくら考えても結論は出そうに無いと言わざるを得ない状況です。

 そもそも“適正価格”とはサービスを提供する側と受ける側では認識の差がある場合も少なくないようで、立場が代われば自分だって同じ様に“自分の価値観”で高いか安いか考えてしまいそうです。

 そこで今回は、WEBの“適正価格”についていつもと違う2つの角度から考えてみるコトにします。

1)比較する同種のサービスがある場合

 例えば、“飲食”に関する適正価格を考えてみましょう。

 ・・・と言っても、記念日と小腹が減った時では食事にかける予算や選択すべきお店は違ってくるはずで、二人が初めて出逢ったお店、期間限定、話題の店など付加的な条件があれば、尚更まとまらなくなってしまいます。

 このように特別な場合を除けば、フレンチのコース料理とラーメン店で同じ“1万円”というのなら、自ずと個人の持つ価値観によって“常識”、“非常識”な価格だという判断が成されるコトでしょう。

 しかし、比較するものが同じフランス料理だと判断材料が違ってくるはすです。

 “1万円”と“8,000円”のコースなど比較的近い金額であれば、店内画像での雰囲気を判断したり、コース料理の品数を比較して判断したりするコトは可能です。

 ただ、“1万円”と“500円”という程の大きな価格の差になると自分の考える適正価格と比較して常識的な価格で提供しているサービスを選ぶ方が多いのではないでしょうか?

 まぁ、これだって1ヶ月に限定1組の記念日コースを500円で提供といった“特別感”が伴うと更にまた何割かの方の判断は違ってくるのですが・・・。

 サービスを受ける側から考えるのであれば、WEBにおける保守契約を受けるかどうかの判断も上記と同じなのですが、その判断のための材料が一般知識として広まっているとは僕は思えません。

 おそらく、本やネット、知人の方から知りえた範囲の、場合によっては偏った判断材料で契約を受けるべきかの判断をしなければならず、この辺がなかなかベストな企業パートナーと巡り合えない原因になっているのでしょう。

 このように保守契約については、大きく分類して“更新保守”と“運営サポート保守”とがありますが、最初からこれらの価格の違いを納得して、自社に必要なサービスを選択される企業様はまだまだ少ないようです。

2)比較対象が無く、適正価格を判断する基準が異なっている場合

 相変わらず“ホームページ制作の平均価格”、“保守は必要か”、“安くて効果のあるホームページ制作会社”といった検索ワードを見かけたり、相談の際にご質問を頂くコトがあります。

 この辺はホームページの制作や運営サポート企業を選ぶ際に、皆さんが気にされる点みたいです。

 本音は、実績と経験を見て自社サイトを成功させられるところに任せたいというところなのでしょうが、“適正価格”という点から判断するならば少し話が違ってきます。

 例えば、本などに書いてある情報に適正価格はあるのでしょうか?

 おそらく“適正価格”はあるのでしょうが、出版する側と読む側ではその“価値観”の違いがあり、それは提供する企業側がジレンマを感じる点だと思います。

 個人の知識や趣味、思考により、“情報”に感じる価値は異なり、販売価格に対して“高い”や“安い”、“適正”といった印象を持ちます。

 同様にコンサート等への価値観の違いもそうです。

 特にクラシックのコンサートでは、その“演奏家”ではなく“コンサートそのもの”を選んで出かける場合も多く、価格に見合うものだったかの判断は個々に委ねられます。

 結局のところ、ホームページ制作において適正価格か判断する材料は少なく、企業様で考えていた、もしくは準備していた“予算”に対して収まるか超えるかを“適正”という言葉に置き換えて判断している方もいるというのが現状なのでしょう。

 逆に、この考え方による判断において“予算に近い(予算を出来る限り使い切る)=価格が高い方が良い”という場合もあるというのは面白いところだと言えるのではないでしょうか。

 提供する企業側からすれば、ホームページ制作にどれだけの企業ノウハウ、人日作業、プログラムやシステムを使っていたとしても、それをクライアント企業様に理解してもらうコトは難しいと思います。

 こんな風に考えると、むしろ高級食材を使った1万円の究極ラーメンといったものの方が、お客様に“食べる”かどうかといった判断をしてもらいやすそうです。

 しかし、ホームページは曖昧なイメージで制作費が数万から数千万円というものが存在します。

 やはり、今後も適正価格かどうかを判断する材料が浸透していくとは考えにくいですし、提供するホームページよりも企業として口コミ独自性で選ばれるよう努めなければならなさそうです・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。