ホームページに取引先企業の掲載をする点について考えてみる。



ホームページの情報が不利益を生み出す?Web-STYLE(ウェブスタイル)

■取引先企業の一覧による企業の実績アピールは、ホームページに掲載すべきか?

 このテーマは“BtoB”向けの企業ホームページを運営されている方にしか関係ない話かと思います。ただ、この件で同じような問題が起こっているらしいので記事にしてみました。

 企業の実績アピールとして提案書やパンフに掲載される取引先一覧ですが、最近のホームページでは掲載していない方がほとんどだと思います。そもそも情報の掲載を提案する制作会社も少ないでしょうけど・・・。

 しかし、大手企業やブランディングできている企業と取引があれば、企業としての箔が付くというものです。

 メリットとデメリットを計った場合、掲載を選んだ方がビジネスチャンスが広がり、ホームページからの問い合わせも増加するという点から、ある時期に制作したホームページは“取引先企業一覧”を掲載するコトがスタンダードな仕様になっていたくらいです。

 しかし、ここ1年“デメリット”の方が目立つようになってきたように感じます。本題に入る前に、取引先を掲載していないに理由を考えるに、次の2つがあげられるのではないでしょうか?

1)取引先同士の関係上、取引を公に出来ない。

2)取引先が少なく、実績のアピールにならない。

 まぁ、無理に掲載しなければならないものでは無いですから、それはそれで構わないと思います。ただ、僕としても取引先企業一覧についてホームページ掲載は控えるべきだと考えています。

 その理由ですが、ホームページに掲載している取引先企業への狙い撃ち営業が増加しつつあるからです。

 ホームページの制作をメインとするIT会社でも、会社を辞めた人間が別の会社で営業になったり、独立したりして元のクライアントに営業をかけて持っていくという話は耳にします。特に、個人であれば“安価な更新サポート費”で営業をかけるというコトが多いようです。

 弊社のようにサービス内容がサイト運営だけでなく、何かインターネットで困った時のご相談全般を対応し、提案や毎月お伺いするという“人的サービス”が中心の場合、競合も少ないのですが(笑)。

 余談ですが、この業界に独立したいという方の相談の多くは、人的負荷を軽減して月々の安定した収益を大きくしていきたいと言われます。別に、このコトが悪いというのではなく、資本金がよほどでない限り、よそが真似できない(もしくは、真似したくない・笑)独自性やニッチによる基盤を持つコトが成功の鍵だと思います。

 話を戻しますが、これらの話は全て“営業職の者が転職して前のクライアントへアプローチする”という類のものであり、ホームページの掲載していたから営業されたというものではありません。

 ビジネスは選び選ばれですので、クライアント企業様が契約を移すというコトは自由ですし、力不足な面もあったのかも知れません。ただ、意図的に狙い撃ちされるというのでは対処をしなければならないのです。

 更に、それがホームページに掲載している情報をもとにしていると言うコトであれば、サービスを提供する側の人間として無視したままには出来ません。

 別の記事に書きましたが、100%の満足が継続するサービスは無いと言っても過言ではないと思います。しかし、その部分を必要以上にあおり、狙い撃ちするコトはモラルに反すると僕は考えます。

 現在、取引している企業と直接的な関わりが無ければ“罪悪感は感じないよね”とは営業を受けた側の社長のお言葉ですが、“信用おけない”という印象を同時にもたれたと言います。ただ、そういった方ばかりではなく成約があるため、このような営業をする企業も跡を絶たないのでしょう。

 これらは、不景気のためか、おおっぴらに行動を起こす企業が目立つようになったためか・・・。

 こういった営業に対してできるコトは残念ながら少ないため、企業側の方でアクションを起こされています。それが、掲載していた取引先企業の情報削除です。

 取引先を掲載していたらよそに営業をかけられるのではないか、というご心配が現実の問題になってきました。実際に起こった数は少ないけれど印象が強く残るため、話が一人歩きしているというコトも考えられます。けれども情報社会において、早めにリスクヘッジは行っておくべきです。

 ビジネスにおいて“モラルハザード”しているためか、モラルを持ってビジネスを行うという考え方が“古い”というのか・・・僕は、後者の方が好きですし、このまま頑張ろうと思っていますが、考えさせられました。

 最後になりますが、こういった営業は上手くいくコトが少ないようです。

 それは“こんな営業があった”と教えて頂けるコトからも分かりますが、企業間での信頼関係が出来ていれば、簡単には契約の移行は行われないからです。

 企業の信頼というものは“他の企業様にも見られているもの”ですから。

 けれど、真面目に頑張っている企業からすれば、あんまり気分が良いものではないですよね・・・というコトで、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。