企業の認識と業者のノウハウから起こるジレンマを考えてみる。



業界での常識が広く認知されているとは限らないのです。Web-STYLE(ウェブスタイル

■ホームページに対して企業が持つイメージとサービス提供側のジレンマ

 僕はホームページの運営サポートをメインに、運営更新のディレクションや提案、ツールや広告の導入時期の判断等の仕事をしていますが、運営保守サービスの必要性についての認知度は、まだまだ一般的に低いと思っています。

 ご紹介で仕事を請けているといっても、ファーストコンタクトはホームページ制作かリニューアルをきっかけに、契約をご検討される方がほとんどです。

 つまり、まだまだホームページは自分で作れないから“作ってもらうもの”という認識の方が多いと言えます。

 

  そこにメリットを見出していただくコトができるのか?Web-STYLE(ウェブスタイル)

 

 また、ご相談の中には、ホームページビルダー等のソフトの使い方を教えて欲しいと言われる方もいらっしゃいます。まぁ、企業の都合上ホームページがないといけないという場合は別ですが、ホームページは雑誌広告やたて看板とは違い、費用を抑えるものという認識の方が強いようです。

 ホームページ導入を新規に決められた企業様の多くは、年の広告予算にホームページ制作費用を入れていたものの“運営のための予算”は考えていなかったという場合も多く、ホームページ運営サポートは、まだまだこれから伸びていく業種なのでしょう。

 確かにホームページは、雑誌広告やたて看板とは違います。

 ホームページ制作のディレクションをしていて紙媒体や看板広告と違い“公開してからも変更できるという認識”は広く認知されているのに、ドメインやサーバー利用の費用も含めた維持費用が認識されないのは、なぜなのでしょうか?

 理由の1つは、SNSやブログなど個人(個人情報)を集めるための無料サービスの過剰提供があると言えます。

 “無料で使えるものがあるのに、こんなに費用がかかるのはなぜか?”とは、どのWEB企業様も聞かれた経験があるのではないですか。まぁ、費用を抑えるために無料サービスを利用するのも1つの手段ですが、ここにまたジレンマが起こる原因があります。

 SEOという言葉が独り歩きしていると感じたコトはありませんか?

 ホームページ制作の費用を抑えるために、無料サービスのブログを利用して、ページも4~5ページにて制作、更新は特に無いので保守契約はしないで、作業があるときのオプション更新のみで、○○で検索して1番になりたい・・・。

 当然、上記の場合はネット広告の利用も無いでしょうから、僕の場合は運営サポートの立場からきちんと説明をして“無理”だとご理解いただきますが、それを言えない営業様もいらっしゃるようです。

 でも、これがWEB業界に長けていない企業様の一般的な認識だと思うべきだと僕は考えています。

  かつて10年ほど前、ホームページ制作を受注するのに“ホームページは24時間無料で働く営業です”という売り文句がありました。

 今はもうホームページを持てば企業が優位に立てるという時代ではありませんが、この費用をかけないで利益を生み出せるツールなんだという認識は今も根強く残っていると言えます。

 正しくは、費用をかけないで利益を生み出すのではなく、費用から予想を上回る利益(時には不利益)を生み出すツールなのですが・・・。

 

  ホームページの運営は二次的な効果も生み出している。Web-STYLE(ウェブスタイル)

 

  上記で述べた通り、不景気とは関係なしにホームページ運営に関するランディング契約を嫌われる方がいらっしゃいるコトも当然のコトだと理解できるのではないでしょうか。

 弊社の場合は、余程お世話になっている企業様のご紹介で無い限り、運営保守の無い場合はお断りさせて頂いておりますが、ホームページに携わっている企業様はお分かりのように、質の高いホームページは育てていかなければならず、保守契約は必要なものです。※制作企業様の更新保守も含めて考えています。

 “うちは別に毎月更新するようなコトがないから・・・。”

 ホームページ運営には更新頻度も大きくかかわるので、運営保守契約の場合は、主導権を持って有効活用していけるよう導いていくのですが、制作企業様の更新保守契約の受注はより厳しい現状だと言えます。

 更に、最近ではその更新保守の契約も減ってきていると聞きます。

 CMSを導入する割合が高くなっているコトが原因の1つと言われていますが、CMSや内部ブログを導入しても続かないコトが多いというデータからみれば、“更新するコトがないからある時だけで保守契約はいらない”という認識が根強いからだと考えた方か正しいのではないでしょうか。

 これは保守契約に魅力を見出せず、メリットを感じてもらえてないからです。対策としては制作ディレクション中に育客をすべきだと思います。

 ・・・というコトで、近々また“育客”をテーマに記事を書きたいと思いますが、今回はこんな感じでどうでしょう?

 いやはや。。(2012/08/25 一部修正)